小林秀雄「モオツァルト・無常という事 」(3)

美しい「花」がある、「花」の美しさという様なものはない。 p78


書き留めて置きたい文章ばかり。
小林秀雄の文章は、美そのものについて扱っているようでありながら、実際は、それを見てこんな気持ちになっただとか、形式についての不思議さだとか、美の周辺について語るに留まる。
美を語ることは出来ないという事について真摯である人にしか美は語れないのだという逆説は、説得力がある。