ニコニコ動画と歌舞伎

ニコニコの「コメント弾幕」というのは、要するに歌舞伎でいうところの「大向こうからの掛け声」みたいなものなんだと思った。

歌舞伎座の中には「大向こう」という舞台正面、天井に近い安席があって、そこはたいてい常連さんが陣取っていて、舞台のいい場面になると「中村屋!」とか「待ってました!」といった声をかけて、場を盛り上げる。

舞台をみる人は、誰が声を出してもかまわないけれど、掛け声のタイミングなんかはかなり厳密に決まっていて、外した掛け声というのは野暮と言われたり、女性が掛け声を出すのは禁じられていて、声をかけたかったら近くの男性を捕まえないといけない(声が高すぎて、舞台が壊れるかららしい)。


ニコニコというサービスも、動画の配信という、ある程度技術的に固定されたものに工夫を加えて、それをもっと楽しもうとしたアイデアだけれど、案外昔の人々の努力に重なる部分がある気がする。

http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2007/07/post_518.html

興味深い指摘。
学生の頃は、アニメなんてまったく観なかったし、
今でもテレビ自体あまり観ないのだけれど、
ニコニコ動画はついつい観てしまう。
最近はもう飽きてきた感もあるので多分もう大丈夫だけど。


ニコニコ動画は視聴者によってコメントが付される事により、
二次創作的に作品が別のものに昇華されるのだ、というような説明がされる事がある。


けれど、
本当のところはそんな大げさな事ではなくて、
結局、
テレビ番組だとかを皆でワイワイガヤガヤと一緒に楽しむ面白さなのであると思う。