村上春樹にご用心
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2007/09/29
- メディア: 単行本
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村上文学には「父」が存在しない。だから、村上文学は世界的になった。
以上、説明終わり。
これでは何の事かわかりませんね。そこで補助線を一本引く。
こんな命題である。
「存在するものは存在する事によってすでに特殊であり、存在しないものだけが普遍的足りうる」
「村上春樹にご用心」p37
歴史には死人だけしか現れてこない。従ってのっぴきならなぬ人間の相しか現れぬし、動じない美しい形しか現れぬ。思い出となれば、みんな美しく見えるとよくいうが、その意味をみんなが間違えている。僕等が過去を飾りがちなのではない。過去の方で、僕等に余計な思いをさせないだけなのである。
「無常という事」小林秀雄p86
上掲二つの文章が自分の中でリンクした。
村上春樹はほとんど読んだことが無いが、内田先生がここまで評価するのなら、一度読まなきゃなぁ。これも会計士試験終わってからかな。