予備校の帰りに立ち読みしたので、所感をメモ。
要旨をまとめると、「今の時代にもっとも価値があるのは情報で、「そこにある情報」と「私」とを繋ぐ導線を生活の中でいかに網羅的かつ効率的に構築するのか」という話、ということでいいと思う。
「街中の移動はロードレーサーで」とか「私が使っている軽くて丈夫なノートPCはこれ」という著者の具体的なアイデアなりはとても興味深く、そういった点でも、その他沢山の自己啓発本より頭ひとつくらい出ていると思いました。


「自分をグーグル化する」というキャッチは新しいけれど、テーマ自体は特に目新しい話ではなくて、たぶん何十年と繰り返されてきたありきたりのテーマ。google的とは何なのかという話なら「web進化論」あたりを読んだほうが何倍か面白いし、きっと役に立つ。
いかにしてプライオリティの高い情報を取ってくる事ができるのか、という事について実際的な手法を追求するという視点はたぶん正しい。ただ、この「正しさ」が解るような人は既になんらかの対応を取っているだろうし、解らん人にはこの本を読んだだけではその「正しさ」についてはたいして伝わらないような気はする。「web進化論」のが役に立つとあえていってみたのはそういう意図。だから、この本の読者が生産性を10倍どころか2倍にする事すらたぶん無いんじゃないか。なんて、そんな批判はケチなあげあし取りだと承知しつつも、やはりそのように考えてしまう私。


知的「生産術」の本と銘打っておきながら、実はほとんどがインプットの話だったというのは筋が通っている。