「専門職倫理と大学教育」という題のシンポジウムに参加してきた。


専門家として必要とされる倫理を、
教育という枠組み・制度として
どのように育むべきなのか、
という辺りがシンポジウムの本旨であったのだけれど、
パネリストの先生たちも、実際のところは手探り状態であるらしく、
Profession Ethicsについての概論や、
現在、不正防止のための担保としてどのような制度がとられているのか
といった話に終始していたように思う。
肝心の「教育」の部分について深い議論がなされるということはなかった(ように感じた)が、
それでも十分に得るものはあった。
専門家集団は社会全体を人質にできる、というフレーズが印象的。



医師、法学者、科学者が同じ壇上で「倫理」について議論したのは日本では今日がはじめてだろうというアナウンスだった。
それぞれの分野において固有の事情があるものの、
professionとして「倫理」ということについてどう向き合うのか、
というより大きな枠組みで考える視点が提示されていたあたり、
自分としては新しい気付きだった。


会計士というのはむしろ企業倫理を担保する為の制度そのものなだけに、
今回の議論に触れて考えさせられたことがいくつかある。
今日の議論を、自分なりに会計の分野に落とし込んで考えてみたい。



↓シンポジウムの詳細

「専門職倫理と大学教育」
開会挨拶
東山 紘久(京都大学副学長)
基調講演
加藤 尚武
京都大学名誉教授、鳥取環境大学名誉学長、東京大学医学系研究科・医学部特任教授)
「専門職倫理 課題と展望」
パネル講演
田中 一義(京都大学工学研究科教授)
「良き技術者をめざすための工学倫理」
山田 文(京都大学法学研究科教授)
法科大学院における法曹倫理」
沼部 博直(京都大学医学研究科准教授)
「医療倫理教育の現状と問題点」
コーディネーター
水谷 雅彦(京都大学文学研究科教授)