短答の振り返りと今後の戦略について


■短答試験対策と大原の教材(一応来年の受験生を想定して書きます)


繰り返しになりますが、私は今年が二回目の短答受験になります。
私は一応は上級生でありますが、大原以外の教材等や情報源には一切触れてないままこの一年間を過ごしました。
そして、上級生の割には「あまり余裕が無いな」という手応えのまま本試験を迎えることになりました。
余裕の無さの正体は、たぶん二つあります。
一つは、短答は網羅的に割と細かい知識まで詰め込まなければならない(と思っていた)という点、
二つは、大原の短答答練の難度が実際の本試験より総じて少し高めだという点です。


この二点は、詰まるところ予備校の指導方針からきているのですが、これら特徴との付き合い方間違えるとリソースの無駄使いという事になりかねないと思うので(思ったので)、気づいた事を少し書きます。


まず一つ目の要点についてですが、結論として「網羅的な知識は必要であるが、あまりに細かい知識の詰め込みは不要」であると考えます。当たり前といえば当たり前の話ですが、この辺の事情をきちんと正確に理解している人と理解できていない人の間には、随分と隔たりがあるのではないかと思います。私はたぶん後者寄りでした。
財務会計以外の全ての科目については、基礎テキストの内容を網羅的に全て押さえていれば余裕で合格点です。大原の短答対策レクチャーやレジュメ等での「テキスト+α」の知識は、余裕が無ければ完全に無視していいし、条文・法規集・報告書についても触れなくて大丈夫ということです。短答答練等の復習においても、ABレベルの問題に注力して、Cレベルの問題には触れなくてよいと思います。こういった学習の優先度については、講師からも再三アナウンスがありますが、いわゆる「保険論点」というのは本当の本当に「保険」に過ぎません。その意味合いというか重要度の濃淡を正確に理解しておくことは重要だと思います。
ですので、私のように「与えられたものは全てこなそう」的なスタンスは、効率がよろしくないです(その代わり「安心」は買えます^^;)。


そして答練との付き合い方ですが、先にも述べました通り、短答答練はABレベルの問題を完璧にしておけばそれで合格点がとれます。そして、乱暴に言ってしまえば、Cレベルの問題というのは基礎テキストには載ってなかったりする問題です。
また、これは私の考えですが、理論科目の短答対策はアウトプットよりもインプットを主体に対応すべきだと考えてきました。というのも、肢別チェックや答練でのアウトプット学習はもちろん大事なのですが、あまりそれらの教材に拠りすぎると「網羅性」の面で不備が生じます。これは昨年の話ですが、ある知人は「肢別チェックと答練を完璧にしておけば短答は大丈夫」という言説を信じて、これらの教材の復習を中心に行い、肢別と答練ついては「完璧」に仕上げたのですが、彼の短答本試験の結果は七割弱でした。一方、理論の対策は実質一ヶ月超程度で、ほとんど基礎テキストの読み込みだけをやっていた私は彼よりも成績が上でした(私は昨年、準備期間半年で短答合格を目指していました)。まあ、理論に関してだけですが(汗
過去問題をざっと見渡してみても、基礎テキストの知識と理解で十分に戦えるという点は容易に理解していただけると思います。
そして、大原の短答答練で成績が芳しくなかったとしても、それが本試験の結果に直結するとは限らないです。成績悪くてもABレベルの取りこぼしがないのであれば良いのです。当然、答練の成績と合格率には相関関係はあると考えられますが、答練とどういう距離感でお付き合いしていくのかは精神衛生上も大事なことと思います。


最後に、計算に関してですが、これは年度によって本試験の難度にかなりの揺れがあります。今年の財務会計は厳しめの難度設定でありましたので、来年は易化するかもしれません。
大原の簿記のテキストは本当に基礎の部分しか載っておらず、答錬で知識を拡充していくというスタンスなので、こちらは答練の復習を中心に学習を進めていく必要があります。これも短答答練のAB問題を完璧にすれば、とりあえず本試験では戦えます。
計算の習熟の為には、やはり手と頭を動かす訓練が必要ですのでこちらはアウトプットベースの学習が有効だと考えます。


今年は、試験制度の刷新の問題もあり、ある意味では不確定要素の多い試験でした(私はその点についてはまったく気にしていませんでしたが)。来年度も、もしかしたら何かしらの変更が加えられるかもしれません。
しかしながら、我々受験生がやる事は何も変わらないと思います
必要な準備をきちんとして、きっちり合格点を目指すべしでございます。


結論のまとめですが、要するに
理論は基礎テキスト
計算は短答答練
で、準備を進めていくのが私のオススメですよ、という話です。


もちろん、重要なところ意外はやらなくてもいいという事ではありません。
保険論点だって何だって、詰めれば詰めるほど合格可能性は高くなります。予備校(大原)がフィルタリングして提供してくれる情報は信頼に足るものだと私は思っています。
また、本試験では何が起こるかわかりません。
運の要素も多少はあります。
それでも、優越ながらではありますが、記憶のはっきりしているうちに、来年度以降の受験生、或いは一年前の自分に何か伝えられるなら何を伝えるだろう、という気持ちと立場でこの記事を書いてみました。
終わり。


■今後の戦略
私は、学習にいちばん重要なのは「よい計画」を建てることだと考えています。
重要度の高いところから、順番に、丁寧に潰していきます。
言葉にしてしまうと当たり前の事なのですが、これは最も重要な「核心」だと思います。


短答後の一週間は、家族の都合などでバタバタもしていてあまり捗りませんでしたが、経営と租税のインプットを一通りはやり直せたので、来週からはアウトプットベースで、きちんと回していけそうです。


応用答練等の成績表が大原から届きました。想像以上に芳しくない成績orz
とりあえず、七月の公開模試に標準を合わせて、ガツガツやっていきます。
それまでに短免の人たちに追いつきます。


……こんな話、全然戦略とは言えないですね。ま、いいや。


それと、税理士試験申し込みました。
片手間で取れるほど甘い試験ではないと理解していますが、仮に論文落ちた場合のことまで考えると、リスクヘッジにはなるのかなと思います。
私は、論文に合格しても不合格でも就職はするつもりなので。