2009年、監査法人の就職活動で気をつけたい7つの注意点(仮)

本年は、上手く立ち回れた人にとっては売り手市場だったようですが、どこどこの法人から不採用喰らったという話自体はよく耳に入りました。会計士業界にしては買い手気味だったのかもしれません。大手四法人全てから内定を得られなかったという人も、知人にいます。
来年受験生の方、もしくは来年の自分の為に、気付いたことをいくつかメモします。
また、今現在も就職活動頑張っている方がいらっしゃるのに、こういう記事を載せるのは、配慮に欠ける部分があるかもしれないとも考えたのですが、それでも参考にして頂ける部分も少しはあるのではないかと考え、思い切って載せることにしました。


0.大まかな流れ


8月下旬、論文式試験→試験終了後すぐ、各法人の説明会出席→面接→内定→合格発表


具体的な採用スケジュールは、地域ごとに異なるようです。各法人のwebサイトから情報を入手して下さい。
監査法人の採用活動は、事務所・エリアごとに行っているのが通常です。
つまり、地方在住の方が東京採用を希望する場合、原則として東京まで選考を受けに出向かなければなりません。


1.四大法人の説明会には参加する
まず、論文試験後すぐに開催される合同説明会へは一度参加しておきましょう。日本公認会計士協会主催のものと、予備校主催のものがありますが、どれか一つで構わないと思います。委員会主催の方は、全国の監査法人の求人情報一覧をGETできます(2ちゃんなどに流通するので、必ずしも足を運ばなくてもよいかと思います)。予備校主催の方はコンサル会社なども参加しているので面白いです。
大方の人がスーツで参加していますが、合同説明会は私服でも全く問題ありません。


そして、個別の説明会。今年、関西地区は、九月の第一週からスタートしました。
参加しなければ得られない情報や、心象があると思いますので、特に大手3つは必ず出席すべきです。説明会に参加して、当初のイメージがガラリと変わるなんて事がざらにあります。
先行イメージを理由に、説明会の段階から絞っている方もいるようですが、グループ面接で「なんで全部行ってないの?絞っている理由は?」と問われてシドロモドロな人も居ました。「昨年に一度就活をしていて、ずっと以前から決めていた」とかでなければ、説得力のある回答はなかなか難しいと思います。
また、説明会とセットになっている懇親会は、高級ホテルでの立食形式であることが多く、とても好待遇です。


2.懇親会には積極的に参加する
懇親会は原則自由参加だと思いますが、積極的に参加してどしどし質問をぶつけるべきです。一般の事業会社の就職活動では、個人的にアポをとってOB訪問をするなどしなければ、このような機会は普通ありません。活用しないのは怠惰というものです。
質問をいくつか用意して、たくさんの職員、それぞれの法人に同じ質問をぶつけてみるのは有効な方法です。各法人や部署を比較する際の有意な情報が得られると思います。
また、現状で興味の無い部署の職員とあえて話してみるのも、思いのほか得るものが大きかったりします。
なるべく年配の職員の方を捕まえましょう。パートナーの可能性が高いです。しかも、割と手持ち無沙汰になってたりしますので(笑)若い年次の職員との方が話しやすいとは思いますが、当然ながら、情報のクオリティは相対的に低いです。


あらた監査法人は、説明会・面接時に「カジュアルな服装で」という指定がありますが、実際には皆、スーツにノーネクタイで参加しています。他の格好でも問題無いと思いますが、会場で浮きます。


3.法人間の違いを知る
よく「四大(特に大手三つ)の違いがわからない」と聞きますが、違いはあります。
また、面接において「他ではなく当法人を志望した理由は?」「複数内定もらったときに何を基準に決めますか?」というような質問は割によく受けました。
クライアントでの比較が非常にわかり易いかと思います。懇親会などで「クライアントで何か特色ありますか?(関東or関西)(他法人と比較して)」という質問もありかと思います。
例えば、あずさ監査法人だと、電気メーカーなどのメインクライアントは関西に集中していて(松下電器、シャープ、三洋)、金融は東京(三井住友FG・大和證券)メイン。
インダストリーで比較すると、特に違いが見えてくる事もあります。


よく、懇親会などで職員の方に話を伺っていると、「なんとなく雰囲気で決めた」という方が圧倒的に多かったです。もちろん、それはそれで十分な動機だと思いますが、私はそれをベストの回答だとは考えませんでした。


4.2ちゃん情報は慎重に扱う
今年の流行語大賞は「裏口」だったようです。他にも「人余り」とかもよく見かけます。
あまり安易にネガティブキャンペーンに乗っかると、判断を誤ると思います。そういうのに影響を受けやすい人は、2ちゃんは見ない方が良いと思います。


5.面接には早く申し込みましょう
大手法人の今年の採用選考は、面接の日程の初日〜三日目くらいの間に内定の大半を出してしまう方法であったらしく、日程の後半に進むほど、内定GETが急激に難しくなる傾向にあったようです。
特に来年は、今年の轍を踏まないという事で、面接の申込み競争は苛烈になると思われます。法人のwebサイトは、八月くらいから随時チェックして、面接の申込みは、迅速に行うのが無難です。
序盤の日程に滑り込めなかった場合、説明会の折かリクルートダイヤルで「序盤日程に面接ねじ込めないか?選考に不利になるのか?」くらいは質問してもよいでしょう。また、こういう質問をした結果、心証悪くして選考に不利になるのでは?と心配される人が居るようですが、そんな事は絶対に無いと思うので、聞いたもん勝ちです。


6.面接・ESの準備をする
自己分析をしましょう。ろくに準備していない受験生がほとんどのようなので、最低限の準備をするだけで、他の受験生より大きくリードする事が出来ると思います。
例えば、自分の長所をアピールする場合は「長所。その長所が発揮された具体的なエピソード。その長所を仕事でどう生かしたいか」くらいは用意しておくと良いと思います。短所の場合、「短所。何故、自分にそういう短所があるのか。改善するために気をつけている事」くらいは言っていい。志望動機ならば、「自分の判断基準。御法人がその基準に適っている点。御法人が他法人より秀でている点。」くらいをしっかり言えると説得力抜群だと思います。


また、他法人の内定状況や志望状況等を聞かれますが、これは正直に答えてよいと思います。ただ、「何故迷っているのか。最終的にどう判断するのか」は答えられた方が印象良いと思います。
私の場合は金融部志望だったのですが、金融部はクライアントで各法人の差異が顕著だったので「御法人のクライアントは○○という特徴があり、この法人には○○という特徴があります。説明会等で感じた雰囲気では御法人がすばらしいと感じましたが、この二法人でまだ迷っています」という感じで答えていました。
また、パートナーの方が面接官だと、判断の為に意義のある情報やアドバイスを提供して下さることもしばしばありました。
結果、いくつかの法人から「じっくり検討してください」との言葉を沿えられ、内定を頂くことが出来ました。


当然ながら、回答の内容だけでは無く、ハキハキと自信を持って話す事、面接官の顔を見て話す事、姿勢を正すこと、身だしなみを整えること、など外観的な要素も大事です。というか、こっちの方が大事かもしれません。
なんにしろ、重要なのはトータルでの説得力だと考えています。
面接官の質問に対しては「回答。その裏づけ。どう仕事に生かすか(PR)」の三本立てが王道です。特段聞かれていなくても、PRはするべしです。この点は本試験と異なりますね。論点ずれは駄目ですが。


絶対内定2009―自己分析とキャリアデザインの描き方

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7.承諾はじっくり考えて
面接の結果ですが、内定の場合は、その場や即日に内定の連絡を受けるケースが、今年は多かったようです。つまり、即日に内定を貰えなかった場合、不採用である可能性が高いといえる状況でした。これは、法人ごとや面接を受けるタイミングにもよるので、一様には言えません。また、この点に関しては、2ちゃんねるの情報は参考になるので、チェックしてもよいと思います。


複数内定方式によって、私達受験生は、各法人をじっくり吟味して慎重な判断を行う事が出来るようになりました(まあ、実質的にはそれは建前かもしれませんが)。
とはいえ返事は早いに越したことないと思います。
あんまり引っ張って悩んだりしても、結論変わらないとも思いますし。
また、法人側にとってもそれが都合よいでしょうし、内定を早く断った分だけ他の受験生が救われる可能性もあります。


ついでに言うと、大手の法人は内定承諾者の懇親会が九月にあったり、某法人では承諾者向けのインターンがあったりするので、そういう機会を逃さない為にも、早いに越したことは無いですね。
ま、大した機会でも無いかもしれませんが。実際、私はそういうの一切参加していません。



とりあえず重要ぽいのを書いてみました。
あくまで私主観の話ですが。
この中で、一番重要なのは何かと問われれば、今年に関しては「5.面接には早くに申し込む」であったといわざるを得ません。法人のwebサイトや説明会などで、よく「何時のタイミングで面接を受けに来ても平等に扱います」というようなアナウンスがなされていますが、実態はかけ離れていたとという印象を持っています。
法人に罪が有るというわけではありませんが、結果的に法人の採用活動に振り回されてしまった受験生は一定数いたはずです。
09受験生の方は、就職活動は必ず早く動きましょう。あまり難しいこと考えなくても、初日に面接申し込んで熱烈にやる気をアピールすれば、普通に内定もらえたって話も聞きますから。


私は幸いにも複数の法人から内定頂けたので、面接後に意思決定する事が出来ましたが、
仮に、実質的に、説明会に出席してから面接に申し込むまでの期間で意思決定しなければならないとしたら、それは非常に厳しい事なのではないかとも思います。
論文試験終了までに、自分は会計士になってどういう仕事をしたいのか、ある程度具体的に思い描くくらいはしておいた方が良いのかもしれません。